そんな

楽しげなアトラクションが終了してしまうとなれば、世の中のネズミーファンがじっとしているはずありません。
あの感動をもう一度、と日本全国津々浦々から我も我もと雲霞のように押し寄せることでしょう。


こんな状況を、あの小さな丸2つと大きな丸1つを逆三角形に配置しただけでデザイン使用料を取り立てそうな商売上手な東洋ランドが放置いたしましょうか?


押し寄せるファンたちを失望させることの無いよう、ツアーの出発回数は通常の5〜8倍の過密スケジュールを組んで客を捌いていくはずです。
回転効率を良くするため、もちろんツアー中は客も含め原則ダッシュです。
中には遅れをとってはぐれる方も出てくると思いますが、そんな方たちのためには専属の回収スタッフが後ろを固めていることでしょう。


四月も後半になると興奮も最高潮、ツアー回数もさらに増え、一回の参加者数も通常の6〜7倍となることは想像に難くありません。
こうなるともはやダッシュすることは実質不可能で、前に出発したツアーの組の最後尾に次のツアーが追いついて路地裏は押すな押すなの大混雑となりましょう。
さながら元日の明治神宮のようですね。


そしていよいよ最終日。
万博でも一番乗りのために3日前から門の前に並んだといいますが、モノが終わると聞けばその一番最後に参加したくなるのが人の性。
最終日の最終回のツアーに参加しようというファンの群れはいつしか数千人規模に膨れ上がり、ともすれば暴動にまで発展しかねない勢いです。
この日ばかりは治外法権のネズミ帝国にも機動隊が入り、一種物々しい雰囲気を醸し出しています。
最終回のツアーの開始時間になると、それまで騒いでいた群衆は息を潜め、係員の誘導に従い粛々と路地裏を進んでいきます。ある意味レミングスです。
中には人が多いのをいいことに出口から出た後また同じツアーの最後尾につこうとする不届き者もいるかもしれないので、監視員の厳しい視線が飛び交っております。


午前3時―。
いつもより5時間も閉園時間を過ぎたころ、ようやく最後の一人がネズミーランドから退園しました。
お疲れ様、灰かぶり姫ミステリーツアー。
頑張ったね、灰かぶり姫ミステリーツアー。


そうそう、言い忘れてましたが、来週から新アトラクション、「帰ってきた灰かぶり姫ミステリーツアー」が始まるそうですよ。