海に浮かぶ

銀色の月をぼんやりと見ていたら、
ちょっとプロンテラのことを思い出しました。
うちではみんな、今日は何してるのかな。
そんなことを考えてるうちに人が集まってきて、
港に船が入ってきました。
そうだ!今日は船で寝るんだ!
 
…船員さんに案内された特別3等船室は、船の底のほうにありました。
窓もないし、ベッドもないし、なんかイメージしてたのと違うなぁ。
でも他の人達もみんなてきぱきと毛布敷いてるし、
こういうのが普通なのかもしれないです。
さっきの「ちっとも安くないじゃない」のおばさんもいますし。
 
隅っこのほうに少し場所が空いてたので、
僕も毛布を敷いて荷物を置いておきました。
船の上に上がってみると、もう出発してたみたいで、
アルベルタの灯りが少し遠くなっていました。
旅行に出るって、こういうことなのかなぁ。
 
特別三等船室はちょっと背中が痛そうだけど、
なんだかすぐに眠れそうです。おやすみなさい。